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NPO法人会計に関与する際の留意点

NPO法人の会計は、他の非営利法人会計と同様に、企業会計とは異なった着眼点を要します。

以下の点は、会計処理を行う前に、検討しておく必要がある項目です。

1 定款に関する留意事項

1)不必要な「その他の事業」を削除する(2003年5月改正前までは『収益事業』)

 

実施していない『その他の事業』であれば、これをを定款から削除すると、区分経理を行う必要が無くなり、事業報告書、計算書類の作成の手間が、軽減されます。

 

<その他の事業について>  

『その他の事業』とは、特定非営利活動に係る事業に充当するために利益を上げる目的で行う事業や、構成員のみを対象とした共益的な事業などが想定されますが、いずれの場合でも、特定非営利活動法人として、特定非営利活動が主たる目的となっている必要があります。

『その他の事業』に関する会計は、特定非営利活動に係る事業に関する会計から区分し
(注:原則として、現金、預金その他、全ての勘定科目を2つに区分することです。)特別の会計として経理しなければならないものとされています。(法第5条第2項)

したがって、『その他の事業』を行う際には、日常の経理を区分するとともに、活動予算書、活動計算書、貸借対照表など会計書類についても、特定非営利活動に係る事業と区分する必要があります。

なお、特定非営利活動促進法上の『特定非営利活動に係る事業』と『その他の事業』との区分は、法人税法上の『非収益事業』と『収益事業』との区分では、概念が違いますので、注意が必要です。

 

2)総会の議決事項を整理、削減する

必要最低限の事項のみ、総会の議決事項とすることを検討します。多くの事項を総会で議決する定款だと、臨機の措置ができない恐れがあります。総会の法定議決事項は、①定款の変更、②解散、③合併のみであり、それ以外については理事会の決議事項と定めることができます。

 

3)定款上の事業の種類を整理、統合して、なるべく少なくする

NPO法人会計基準を導入するにあたり、会計報告書に注記を行う必要があります。

計算書類の注記にあるように、事業別損益の状況を詳細に記載することを求めています。この事業別損益は、定款上の事業別に記載することになっていますので、あまり事業の種類が細かく定められていると、事業報告時の作業が膨大になる恐れがあります。

必要に応じて、事業の内容を見直し、整理、統合を検討することを勧めます。

 

定款第5条(事業の種類) この法人は、第3条の目的を達成するため、特定非営利活動に係る事業として、次の事業を行う
(1)各種スポーツ大会の企画及び運営事業

(2)各種スポーツ教室、講習会等の企画及び運営事業

(3)各種スポーツ指導者の養成、登録及び派遣事業

(4)各種スポーツ大会への選手及び役員の派遣事業

(5)スポーツ団体の育成と相互間の連絡、調整事業

(6)各種スポーツ優秀者及び社会体育発展のための功労者の表彰事業

(7)市民へのスポーツ情報の収集及び提供事業

(8)体育及びスポーツ等に関し、体育・スポーツ機関との連携及びその
施策への協力に関する事業

(9)スポーツ振興事業及び体育施設の運営管理事業

(10)その他、この法人の目的を達成するために必要な事業

2 この法人は、次のその他の事業を行う

(1)自動販売機によるジュース等の販売

(2)機関紙への広告掲載事業

3 前項に掲げる事業は、第1項に掲げる事業に支障がない限り行うものとし、その収益は、第1項に掲げる事業に充てるものとする。

 

上記の事業の種類を纏めると   ↓↓↓

 

特定非営利活動として

(1)体育、スポーツの普及、促進、啓発を行う事業

(2)その他、この法人の目的を達成するために必要な事業

※ ジュース等の販売、機関紙への広告掲載は、(2)に含める

 

その他の事業が、相当の事業規模でなければ、特定非営利活動に含めても問題ありません

 

4)みなし総会を導入する。

 

みなし総会の規定は、20124月の改正NPO法で加わった条項です。
理事又は社員が、社員総会の目的の事項の提案をした場合、当該提案に社員全員が書面等により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされます
みなし総会を導入することにより、書面やE-mailによる同意で決議を行うことができ、団体の運営を円滑におこなうことができます。具体的には、以下の条文を加えることにより、可能となります。

 

◎ 定款第28条(議決)

3  理事又は社員が総会の目的である事項について提案した場合において、社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。

 

◎ 定款第30条(議事録)

3  前2項の規定にかかわらず、正会員全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたことにより、総会の決議があったとみなされた場合においては、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 総会の決議があったものとみなされた事項の内容
(2) 前号の事項の提案をした者の氏名又は名称
(3) 総会の決議があったものとみなされた日
(4) 議事録の作成に係る職務者の氏名

 

「電磁的方法」とは以下の方法を指します。いずれも受信者が記録を書面に出力できるものであることが必要です。(特定非営利活動促進法施行規則第1条)

①電子メールの送信による方法

②ウェブサイトへの書き込み

③CD-ROM等の磁気ディスクを交付する方法